医師 求人 経理 転職

Brewster MacCloud of ErrorOccurred

Life with Digital Gadgets

HOME > Prologue > Brewster MacCloud

映画『Brewster MacCloud』(邦題「BIRD★SHT」)のメッセージ性

この映画は、1960年代後半から70年代前半に掛けて起こったアメリカン・ニューシネマを無視して語ることは出来ません。

当時の私は大学受験を向かえた学年で、無目的的な受験勉強の脅迫観念の中にあり、映画に嵌って平日も高校をサボって映画館に出入りする日々を送っていました。
時を同じくして、時代錯誤的ハリウッド映画に対するアンチムーブメントとしてハリウッドスターの2代目達が中心となり、安易なハッピーエンドの回避、ハリウッドを飛び出した映画作りを標榜したニューシネマが登場。 そんな時流に自分を重ね合わせ、主人公に自身を投影して、ニューシネマに心酔していきました。

「ヒトは空を飛べない」という既成概念を打ち破ろうと、ひたすら人工の翼作りと体力強化に挑戦する主人公と、それを阻止しようと妨害する体制側。 そんな主人公を守護神のように見守り、妨害者を次々に排除していく堕天使が登場する。ロバートアルトマン監督の『BIRD★SHT』はそんな映画です。
様々な妨害を乗り越え、遂に翼が完成しフライトの日を迎えるが、アストロドームに警察の追手が迫る・・ その中で、主人公の飛行がいよいよ開始される・・彼は、果たして自らの羽と力で飛ぶことが出来るのか・・・

ドームの観客席からグランドに向けて、飛び立ち必死の羽ばたきを繰り返した主人公は、追っても警官たちを振り払うように、飛び上がる! 飛んだ! 飛べた!

ところが映画はエンディングに向けて急転直下する。

必死に羽ばたきを続ける彼は気が付いたのです・・・これで空を飛んだことになるのか、青空はどこにある・・・? これはドームという鳥篭の中の一瞬の羽ばたきでしかなかったのではないか?・・・という現実を。(註) 
そして墜落。
サーカス団がグランドに入場し、映画はエンディングを迎える。

この映画をアルトマン監督によるニューシネマ作品であり、ハリウッドにおけるニューシネマの成功例と、当時の映画界は評価していました。
しかしながら、私は全く正反対の見方をしました。

設定やストーリー展開をして、見るからにニューシネマを装いながら、最後の最後に観客を見事に裏切ってみせる。
彼はヒーローなんかじゃない、サーカスの見世物だ! とアルトマン監督は断言する。そして同時に、ニューシネマの作り手たちを主人公に重ね合わせ、彼らは自分で鳥篭に閉じこもって自意識過剰になっているだけだ、とバッサリ切り捨てたのである。

この大仕掛けなエンディングに、閉塞感に囚われニューシネマに逃げ込んでいた私は、アルトマン監督に頭を殴られたような衝撃を感じて、エンドロールが流れて幕が下りても尚、暫く席を立つことが出来なかった・・・。

閉じた世界、守られた世界、自分で作りだした世界の内側で、悩んでいるに過ぎない。閉じ籠っていないで、自分から外の世界に何故出て行かないのか。 そんなメッセージに聞こえたのです。

これはニューシネマに対するアルトマン監督の強烈な批判であると同時に、ニューシネマ世代とその渦中にあった私自身に対するストレートなメッセージでもあった、とあの時の私は受け止めたのです。

.....by risky_k

註)この解釈の根拠は、飛翔シーンを下と横から撮りながら、常にアストロドームの屋根を背景に入れたカメラアングルを採っていること。また当時、アルトマン監督のインタビューで、この映画が出来たのはアストロドームがあったからこそという発言があった。

Song by Merry Clayton

risky_kのプロフィール

小学生期

秋葉原デビューは小学5年生のとき。ジャック屋さんを回って、古いプリント基盤を買って来ては、半導体やらコンデンサやらの部品を取り外すことに熱中。それ以来、プリント基板フェチ(?)となる。

中学生期

クラブ活動でラジオ部へ入部、部長就任、但し部員は一名、私だけ。(涙...
一方、現実逃避を図り映画に目覚める。(当時は映画と言えばフランス映画でした)

高校生期

一応は進学校でありながら、学校をサボって映画館周りをする3年間。
ピーク時に観た本数は洋画、邦画何でもありの年間200本オーバー!

大学生期

オーディオブームが到来し、長岡鉄男先生に心酔!自作スピーカーボックス製作に熱中。秋葉原で先生設計の左右合計40kg以上あるキットを購入し、当時住んでいた戸塚から一日二往復して片方ずつ持ち帰る。

社会人期

アキバのイケショップで38万円したMac LC IIを購入!Macな人となる。
仕事の都合上で已む無くWindows機に手を出す。基盤好きの性格より、自ずとして自作PCの世界に.・・・そして現在の有様となる・・・。

banner_215_55_EO.jpg
当サイトのバナーです!